実際にあったフォークリフト整備トラブルとその解決事例5選 ~プロ整備士が現場で対応したリアルな修理記録~

中古フォークリフトや長年使われた車両には、突然のトラブルがつきものです。
今回は、日商機株式会社の整備現場で実際に対応した事例の中から、特に参考になる5つのトラブルとその解決法をご紹介します。
事例①:エンジンがかからない(ガソリン式)
トラブル内容:
朝イチでエンジンがかからない。セルは回るが始動しない。
原因:
・スパークプラグのかぶり
・燃料フィルターの目詰まり
・イグニッションコイルの劣化
対応:
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スパークプラグ清掃・点検 → 火花弱い
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コイル交換 → 始動復活
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燃料系の洗浄も併せて実施
アドバイス:
長期間使用していない車両ではよく起きるトラブル。週1回は始動確認を。
事例②:リフトが上下しない(油圧系)
トラブル内容:
マストが上下せず、荷物が上げられない。
原因:
・作動油の劣化およびエア混入
・油圧ポンプの圧力不足
・フィルター詰まり
対応:
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オイル交換+フィルター清掃
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油圧ラインのエア抜き
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必要に応じてポンプオーバーホール
アドバイス:
オイルの交換履歴が不明な中古車両では定期交換必須。
稼働が少なくても経年で劣化します。
事例③:走行時に異音がする(足回り)
トラブル内容:
走行中に「ギーギー」「ガタガタ」と異音がする。
原因:
・ホイールベアリングの摩耗
・キングピン・ナックル部のガタ
・タイヤのひび割れ
対応:
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前輪のベアリング交換
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グリスアップ
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タイヤもついでに交換(ノーパンク→エアタイヤ)
アドバイス:
**「音」は故障の前兆。**作業者が気付いた段階で早めに対処すれば低コストです。
事例④:バッテリー異常でパワーダウン(電動リフト)
トラブル内容:
満充電でも稼働が極端に短い。加速が鈍く途中で停止。
原因:
・バッテリー劣化(1セル死んでいる)
・液補充不足によるサルフェーション
・充電器との不適合
対応:
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比重測定 → 一部セルに異常値
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液補充で暫定対応
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その後、バッテリー丸ごと交換
アドバイス:
**補水と比重チェックは週1回が理想。**特に夏場は蒸発が早いので要注意。
事例⑤:フォークが傾いて真っすぐ挿せない(マスト変形)
トラブル内容:
パレットに差し込む際に左右で高さがズレて挿しにくい。
原因:
・マストフレームの歪み(過積載が原因)
・チェーン張力の偏り
・フォーク自体の曲がり
対応:
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マストの修正(専用治具で矯正)
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チェーン調整+グリスアップ
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フォークは交換対応(曲がり補修は不可)
アドバイス:
**過積載と無理な作業はフレーム全体を歪めます。**定格荷重を守ることが長寿命のコツ。
まとめ|「おかしいな?」が整備のサイン
どのトラブルにも共通するのは、「ちょっとした違和感」を見逃さないことが早期解決のカギだという点です。
現場の声をすぐに整備士に伝えることで、大きな故障・事故を防ぐことができます。
日商機の整備サポート
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自社整備工場完備(点検・分解・塗装まで対応)
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整備士による点検講習の実施(現場向け)
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中古フォークリフト購入時には納車前点検&整備済み車両の納車