整備歴30年以上のプロが語る、フォークリフト整備の現場裏話 ~「この1台、実は…」という話、いくつ知ってますか?~

こんにちは。日商機株式会社の整備士・中村(仮名)です。
私はこの道30年以上、数千台のフォークリフトを整備してきました。
この記事では、普段はなかなか表に出ない「整備の裏話」や「現場で起きるリアルな出来事」を少しだけご紹介します。
裏話①:「壊れる前に“音”が教えてくれる」
整備士の耳は、いつもエンジン音やチェーン音に集中しています。
「キュルキュル…」という音がベルトの緩み、「ゴリゴリ…」はホイールベアリングの劣化。
音でわかる“前兆”は、車検のないフォークリフトではとても重要なんです。
ある日、異音に気づいた車両を点検したら、チェーンピンが今にも外れそうな状態でした。あと1日遅ければ、大事故につながっていたかもしれません。
裏話②:「たった1滴のオイル漏れが高額修理に」
「床が少し汚れてるだけ」と放置されたオイル漏れ。
原因を調べると、シリンダーのOリング劣化が始まっていました。
そこから3ヶ月後、油圧が抜けてリフトが上下不能に。しかも部品も欠品中。
こうした事例、本当に多いです。
“少しの変化”に気づいたときこそが、整備のベストタイミングなんです。
裏話③:「実は中古でも新品より“当たり”がある」
整備していて思うのは、「これは当たりの中古だな」という1台があること。
たとえば、屋内倉庫で5年しか使われていない2,000時間未満の電動リフト。整備も毎年されていた。
こういう車両は、新品より安く、実質的な寿命もまだまだ残っていて、コスパ最強。
買ったお客様も、「何年使っても壊れない」と大満足されています。
裏話④:「“ちょっと貸して”が一番リフトを壊す」
お客様のところでよくあるのが、「普段の担当者が休みで、別の人が乗った」ケース。
この“ちょっと貸した”リフト、高確率で異常が出ます。
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無理なチルト
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過積載
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エンジンかけっぱなし
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フォークを地面にガン!と打ちつける
マイカーと同じで、使い方次第でリフトの寿命は大きく変わるんですよ。
裏話⑤:「整備士の仕事は“治す”より“壊させない”」
整備士の本当の仕事は、故障してから直すことではなく、壊れる前に予防することです。
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オイルや冷却水の定期交換
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チェーン・ホースの摩耗点検
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タイヤの空気圧と偏摩耗の記録
こうした細かい作業が、事故や高額修理を未然に防いでいるんです。
「動けばいい」ではなく、「安心して動く」状態を保つことがプロの整備士の役割だと思っています。
最後に|リフトも人も「小さな異変」に早く気づけることが大事
フォークリフトの整備は、命と直結する仕事です。
ちょっとした音・臭い・感触の違和感を放置せず、「なんか変かも?」のうちにご相談いただければ、大きな故障や事故を未然に防げます。
日商機では、納品後も整備士があなたの現場をしっかりサポート。
点検講習や出張整備、修理履歴の管理も行っております。
気になることがあれば、整備士に直接ご相談ください!
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